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経験の雑談

ヴァイオリン奏者の皆様と同業者様へ

     このページにある雑感を是非参考にして頂ければと思います。

 

1、魂柱交換と弦替えの経験

  本格的な音調整は難しいです(0.2mm~0.3mmほどで位置が移動した場合は四本の弦のバランスが変わります)。どれほど難しいかというと胴体の大きさ、板の厚みが違う、膨らみが様々なので、経験上の調整しか出来ないと思います。朝にヴァイオリンに付けた魂柱の音色が夕方になると音色が変わっている場合が結構あります。音量が少し下がる事もあります。何年後になると魂柱と駒調整だけではバイオリンの音を買った当初の音より良いものにできるとは限りません。100何十年ほど立ってたら、バスバーの再設定を根本的に改造しないと魂柱と駒の調整には限界があります。

  弦も同じように張り替えてから馴染むまで二、三日、あるいは一週間かかる場合もあります。なお、張り替え前の弦と違うメーカーの弦替えした後に魂柱を再調整する必要がある場合もあります。

 

 2、実際、魂柱調整をするのは僅か何秒から十何秒の作業です。一瞬の調整で楽器のバランス、音量、音色がすぐ変わることになり、良いバイオリン職人の魂柱調整は元々良く出来ていない楽器をその一瞬の調整で楽器のバランス、音量と音色が良くなるように仕上げる事ができます。毛替え作業と同じように良い楽器は調整しやすく、良く出来ていない楽器の調整は良い楽器より難しいです。割材魂柱交換は普通の楽器に比べて贅沢と言えます。が、割材魂柱付けの良さがあまり広く知られていないようです(やはり良い楽器が少ないからね)。

 

 3、旭ヴァイオリン工房開業してから自分の30年の経験はどんなものだったかを考えました。根本的に言えば、良い経験が多いですが、反省も多くあります。中国でチェロ製作、日本で20年程バイオリン、ヴィオラ、チェロを修理するための修行を重ねて、只今この工房を利用し、今までの修復の経験を活かし多くのバイオリン、ヴィオラ、チェロの不良商品を最善の調整、修理をして、本当の弦楽器とする一般的な商品の基準をお客様へご紹介させていただきたいのです。

 

   4、皆様が高価なバイオリン商品を入手したあと、定期的なメンテナンスを忘れずに是非一度調整、修理を旭ヴァイオリン工房にお任せ下さい。お待ちしております。私が自信を持つのは先ず修理調整に必要な専用素材の在庫、次にヴァイオリン、チェロと弓修理を沢山してきた者として(会社に勤めていてきたときのことになります)、熟練された技術を駆使し、常に最善を尽くした調整と修理です。在庫の修理用素材は古ければ古い方が良いということをおすすめるとともに、お客様のため、慎重にバイオリン修理工房を選ぶことは重要であることをご存じていただきたいと思っております。

 

 5、ウルフトンー改善策について。ウルフトーンを改善する為にはポイントとして駒、魂柱、表板と裏板の厚み調整になります。しかし(魂柱調整と弦替えで音調整が出来ない場合のとき)最終的にバランスがよくなってウルフトーンをとるための手段としてバスバーを調整するか交換する必要があるとと思っています。ウルフトーンを解除するのはとても難しいことです。私なりの改善策として、軽い〝症状″になったウルフトーンをウルフキラーで改善することができますが、重い〝症状″になったウルフトーンがついた楽器は〝内臓″を大きく改造するしかありません。

 

  6、毛替えの作業時間について。フリーサイズの毛替えは所要時間が約1時間ほどで、弓の状態にもよりますが、幾つの要領が守って、気楽で分数弓なら最短で30分間で毛替えを仕上げことも可能です。ある程度の経験を積めば、毛替えは弓の修理において基本的な技術と言えます。一時間ほどで弓の毛替えを仕上げるのは普通です。さらにお客様の目の前に毛替えができれば、熟練職人といえます。更にお客様の目の前で毛替えをしますとお客様と一緒に元の状態をすぐ確認できます。これまで仕上がり前のお互いさまて重要なことと存じております。

 

   7、毛替え用の馬毛の質について。高価な毛替えは高価な品質ではないとわかりました。専門的な毛替えと均等さを重視するとともに、、太めと細めの仕分けも重要です。混毛と言えば複数米と同じようにいえます。美味しいお米なら、単数米の方がおいしいでしょうが、上品な毛替えは基準として均等さです。黒と白の混馬毛を混ぜて毛替えすると、毛の伸び縮みが違うんです。面白いかもしれないですが。実際は極めて安価な安い馬毛は多いです。がたがたな馬毛を仕入れば、毛替えする専門職人も大変だそうです。特にヴァイオリン弓にたくさんの雑毛を使った場合は音量が大きくなる、しかも大きな音量出ると伴に雑音が良く出るじゃありませんか?繊細に奏でる楽器がいつでも繊細な表現ができなくなると思います。良く試していただいた次第おわかりになるでしょう。2年間ほど沢山の種類の馬毛の毛替えを体験させて頂きました。伸びと縮みが異なるような事は多いですので、とても楽しかったお仕事でした。極めて貴重な経験でした。ポイントとしては左手の親指と差し指の間を抑える力の感覚、硬い毛もしくは柔らかい毛の長さを目安にどの位考えるかと言う所です。

 

   8、40代のときは経験が少ないけれども勉強不足で自信過剰でした。私がヴァイオリン修理人で一人前になるまで、実際は30年間ぐらいかかりました。40代後半になったときに、ヴァイオリンの修理のことはよくわかっていると思っていましたが、今から見るとまだまだ不十分で自信過剰だと思います。やはり人生まで勉強しなければならないと思います。

 

  9、分数バイオリンについて。ただ今市場に販売して中古分数バイオリンはお子様に対して衛生でないと思います。また、相当古いケースをお使いになりますと虫が出ています、弓に付いた馬毛(ほとんど木造の楽器胴体と比べて馬毛の中にタンパク質細胞が多いから)をガンガン食べてられてしまいます。お子さんたちのためにお買い上げ時に慎重に考えてください。

 

   10、調整と修理用の素材を早目に用意すれば、ご心配がなくなると思います。高価な最高級オールドヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの音を良く調整できるため、20年前から用意した魂柱交換用の素材が豊富にあります(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ用整形材から割れ材まで)。もしも今から準備すると、後20年間待つしかできないでしょう。これからもっと沢山のオールドヴァイオリン、ヴィオア、チェロなどの弦楽器修理、調整を頑張ります。ヴァイオリン職人として、この分野の仕事に対する愛は言葉にできないけれども、確かに毎日弦楽器と一緒に生活しているのです。朝起きたら仕事をがんばり、夜になると楽器を保護するために警備しています。更に4年前(2016今現在)に工房のお仕事を専念にするため、テレビを捨てると寝る時間と食事時間以外は完全に弦楽器修理、調整、制作の生活で生きています。

 

   11、価格表について。自分の技術の良さ、速さあるいは素材、部品価格と総合的な判断をさせていただきました。当工房では高い金額に設定した項目に勿論自信を持ちます。弓に毛を張り付けることにより、一万本以上の弓の張り替えの経験があるので、熟練技術と合わせれば高品質弓毛替え仕上げは一時間ほどで仕上げられます(仕入れる馬毛の値段により変更する場合があります)。

 

   12、弓チップ素材について。弓先穴の表面上のプラスチックには弱さがあるから、弓先にプラスチックを付けたら、弓先のせいで全体的にも弱くなり、あまり良くないと考えられます(つまり長く使えないことです)。そして修理作業も難しくて、極めて安い素材なのに皆様には高価な修理仕上げ代金の支払いを請求する事になってしまいますが、ご了承ください。

 

   13、鉋作りとバイオリンのネック継ぎについて。工房についてのページに21歳のころに作った長さ61㎝の長い鉋があります。そのころから王崇貴(チェロ製作専門家)師匠に師事し始め、本格的な手作業チェロつくりを始めました。王師匠はご自分の名前しか書かれません。しかもお仕事は繊細でヨーロッパからバイオリン工場に訪ねに来た職人に尊敬されて、ついには「楽器の辞典 ヴァイオリン」にも彼の名前が載ってます。

 

   14、長く使える高品質な馬毛は均等な毛だと思います。今まで一年間半の間」、専門弦楽器店で活躍している際にスペイン、イタリア、モンゴル、カナダ、日本産など何種類もの馬毛の毛替えを体験させていただきました。良い経験になりました。今現在高価な馬毛にも雑毛が多いので、半分ぐらい捨てることもあります。最後まで僅かに使う毛はぎりぎり使いますので超高い毛替えの値付けはしょうがないでしょう。混毛なら毛替えがし難く、感想をいうならばやはり均等さのある馬毛の方が整理し易くて、長期間使ってもバラバラになりにくいです(今までの自分なりの経験では馬毛の均等さは重要です)。馬毛を仕入れるときのチェックは必要になるでしょう。

 

   15、オールドバイオリンを修理しながらの思ったことについて。オールドヴァイオリンの大修理の事なら実はすごい責任があること、分解する時に怖さが出るとともに技術の良さは不可欠であり、及び乾かす時間は長いければ長い方が良い素材(木材)を多く持っている事も含めて、経験上、本格的、かつ高度な技術と使う素材を条件として、一つも足りないと綺麗に仕上げる事はできません。

 

    16、最近船橋警察庁に聞いたことについて。ご自分の持ち物なら、販売しても良い。古物商証明書がない場合、国内での買取は違法です。旭ヴァイオリン工房にある商品は元々自宅の持ち物なので、合法であり、正当に売れるとの事です。

 

   17、最近保険会社に聞いた事について。修理途中で楽器を壊したら保険に入りますか?保険会社に聞いたところ、答えはダメでした。再び皆様へ忠告します。修理する前にヴァイオリン修理職人を選ぶことは重要です。保険会社に保険をかけられないので、修理途中でヴァイオリンを壊されたら元に戻すことは困難でしょう。

 

   18、チェロ駒替えの感想。 チェロ調整をした経験は今まで(最終的に商品になるまで)約2500本以上(最新調査)です。駒の交換は今まで指板削りと同じように一千本を超える作業をしてきました。(最速記録としてはチェロの駒替えは1時間でできました。今でも3時間ほどです)。駒の正しい立て方としては駒の後ろが表板に対して角度が90°が正しいと認識していましたが、私の実際の調整した経験からの結果として、音に合わせて駒の前後向きを調整した方がよいと皆様へおすすめします。皆バイオリン修理人と同じようにチェロを試奏しながら魂柱の位置をすこしつづ移動します。0.2mmほど移動すると音色が変わることがわかります。ここで私が良く注意することは素材、太さ、長さと本体が合うか合わないかを自分で試奏して確認します。

 奏者の皆様により大きな喜びを感じていただく、数多くのチェロ駒の在庫を確保しています。チェロ調整用の駒を長い間乾かして、繊細な音を出せるように高価なチェロ駒材を多く用意いたしました。

 

   19、チェロの大修理が完成いたしました。今思うと、修理代が50万円程の大修理内容から見ると大サービス修理でした。と言うのも、修理する前に見積もりをいたしましたが、オープンした後に驚いたのです。外から見えない割れがいっぱいで、結局表板のセーターに上下パッチ付け、魂柱パッチ付け、楔見たいな小さいパッチ付けが33枚でした。裏板セーターの上下にパッチしたほかに魂柱パッチとセーターに長い骨パッチを付けました。私の得意なバスバー替え修理、継ぎネック修理で大満足です。大修理は大低45日間、プラス調整するお仕事でした。旭ヴァイオリン工房初のチェロ大修理ですから、サービスが多いのは当然です(私の考え方です)。予想外の経験をいただきました、K様に大きな大きな感謝をいたしております。お客様へ毎日感謝の気持ちを持ちながら頑張って仕上げさせていただきまました(2014.8)。

 

   20、大修理と大改造について。最近、楽器の大修理=大改造と認識される方がいます。勿論、バイオリン弦楽器を一旦修理すると改造の意味があると思います。例えば指板替えの場合は改造と言えます。ヴァイオリンの指板替えをする前提は指板の厚みが足りない、もしくは指板に使われる素材がやわらかすぎる、もしくは元々の指板の幅が足りない、指板の表面に凹みがあるとか等々。そうすれば指板替えをしたら、形の大きさがかわるでしょう。次に糸を巻き替える事も改造と言えます。勿論糸巻き替えの場合は新規で変えた糸巻の素材が違う、形が違う、外観の色も違うとかで改造と言えるのです.すなわち、部品の交換をすれば全部改造と言えると思います。

  20年ほど前、ヨーロッパから中古オールドヴァイオリンが日本に入って来たらできるだけ修理をしないままで定価で売るのです。その時、普通の弦楽器の職人はまだまだ大修理の経験が出来ていませんでした。しかし今現在オールドヴァイオリンをヨーロッパから入手すると必ず調整か、修理(改造)しなければならない。つまり日本に輸入している古いヴァイオリンとオールドヴァイオリンが少なくなって来ました、良く出来ているヴァイオリンがヨーロッパから多く取れないです。ボロボロのヴァイオリンが多いです、綺麗に大改造(部品交換)しないと(実際は修繕作業ともいえる)良い商品にならないです。その代わりに修理していないヴァイオリンは後に楽器を買った人の負担になります(欠陥がある楽器)。何年後かに分かったら後悔しても間に合わないでしょう。

   勿論大修理は大変で、大修理のお仕事が多過ぎますと逆に収入が少なくなります。だから大修理できるヴァイオリン職人もやらなくなってしまいました。ただ今現在、日本国内には個人工房ととして千葉県内にオールドヴァイオリン大修理を承っているのは旭ヴァイオリン工房だけです。

 

 

 21、日本弦楽器製作協会の会員になった事について。 20前に日本弦楽器製作協会の会員になりたいと思っていました。しかしその時バイオリン、ビオラ、チェロ、コンドラバスの修理の経験が少なくて、入会ができませんでした。10年前ほど日本弦楽器製作協会に入会させていただきました。ただ今このプロ団体の中の一人として、バイオリン弦楽器奏者の皆様へ貢献できるように尽力しています。日本弦楽器製作協会の会員になるまでの条件は楽器製作だけではなく、修理の経験が何年かに満たないと入会できません。入会したいバイオリン職人の方は千葉県内に製作協会の本部がありますのでご連絡ください。

 

 22、顎当ての調整について。インターネット時代だから、節約するためにわざわざインターネットで顎当てをお探しの方が多くいらっしゃいます。しかし皆様が買った顎当ては完全に使いものにならないと修理をする方たちなら良くわかると思います。というのも、しっかり調整していないあごあてはご自分の楽器に合わない場合が多いです。表板と良い感じに当たっていない顎当ては調整が必要になります。お早目にご自分の楽器をチェックしてください。

 

 23、最近の毛替えの思いについて(2015年4月)。旭ヴァイオリン工房には一年間前から良く千葉女子高校の学生様たちがいらっしゃっています。つい最近高校生、大学生様たちの人数も増え続けています。みんな毛が伸びたから毛替えしてもらいたいと言います。毛が長くなったから毛替えになると言うことは確かにそうですが、実は5mm程長くなるとお使うときにコントロールのしやすさが変わると思いませんか?厳しいことを言えば5mm程長く伸びた場合は毛替えするか、もしくは毛の長さを調整するべきだと思っています(コントロールと考えて貰いたいです)。

 

 24、弦楽器の有効弦長について。普通のヴァイオリン奏者とプロバイオリン奏者以外は大学の学生様達が次々工房にお越し下さっています。大学生の方たちが皆お使っている楽器は結構高価な楽器だとわかりました。しかし寸法から見ると、今現在の国際基準とする寸法に合ってない(古い)楽器が多いです。特に有効弦長の差は驚くほどです。高価な楽器は有効弦長が長すぎるということを知らない方が多いので、専門家に楽器の再確認をしてもらった方が良いと思います。

 

 25、指板削りについて。最近、チェロ指板削り出しの作業が多い中、突然新たな感想がうまれました。ネックの太さにより、そのチェロに必要なチェロ指板に微妙な反りつけをした方が良いと感じました。勿論チェロをアマチュアの方が使うか、プロの方が使うかによりますが、理想のチェロ指板反りは楽器のネックの太さから音まで、全体に考えなければならない&専門的な修理だと思います。(2015、5)

 

    26、理想のバイオリン、ビオラ、チェロの修理工房をネットで探す方法について。修理したいところの単語、例えば指板替え、駒替え、魂柱替え、糸巻き替え、ナッド替え、(表or裏)板の割れ&修理、(表or裏)板のセンター剥がれ&修理、横板割れor剥がれ&修理、指板剥がれ、ネック(剥がれor折れ)修理、継ぎネック修理、オールドバイオリン修理、オールドヴァイオリン修理、傷ニス修理、弓修理、チップ交換、チップ替え、弓の曲がり直し、弓反り直し、弓折れ修理、弓毛替え、弓ネジ替えor交換or修理などを入力し、勿論ご予算の事考える方に修理値段、修理料金、修理価格、修理費用、修理代金を入力して頂いて、出来ればネッド上にある画像と地図を確認して、次に地名を入力すれば、素早く御自分の希望通りの修理内容(予算の事も含め)で依頼したい工房を見つけやすいです。

(余計なお世話かもしれませんが・・・)

 

   29、本当の弦楽器の良さを分かって頂きたいと思っています。今までほとんどの皆さんはラベルばかり重視され、楽器の良さを見ていないように思います。まず、木材を乾燥させる工程から作り出される楽器の良さが決まり始める事、良い材質のほうが長く使え、綺麗にみえること。勿論良く乾かした良い素材を使えば、楽器の性能や音が良くなることは間違いありません。バイオリンの調整、修理に一番関係有るのは素材と職人の技術のよさ。この二つの条件が不可欠となります。

 

 30、最近、ある横浜在住のお客様のため、チェロ用の割材魂柱を用意していたところ、沢山の乾燥素材の中から良質なチェロ用魂柱材は10%弱ぐらいしか切り出す事が出来ない事に気が付きました。高価なチェロの用の良質な割材魂柱作りは簡単と言えません。

 

   31、(最近さらに思った駒の事)簡単な駒替えで音色を変える事ができます。一本のバイオリンに適切な(素材と素材の乾燥期間からその形まで)駒を付け替えれば、弦を替えるよりは経済的で持ちも良く、確実に本来のベストな状態にすることができます。すなわち、弦を変える前に駒の交換を先にしてみた方が良いと考えております。お好きな音色に弦替えで調整するなら短期間で音の〝味"を微妙に変えられます。しかし弦の使用期間はどう比べても駒より短いでしょう。駒と魂柱を替えた場合は間違いなく安定した状態で良い音色を長く楽しめると思っています。

 その他に私が思ったのは、弦替えは料理の調味料と同じようなものだと思っております(塩、砂糖、辛子など)。本格的な音の調整なら駒か魂柱、その次の調整は弦替え、テールピース替え、テールナイロン(テールガッド)替え、糸巻替え、必要になれば指板替えをする時もあると思います。

 

 32、春のこの時期は楽器の修理や調整に適した時期だ、と今までの経験上、つくづく思います。先ず、接着剤が乾き易く、室内と外回りの気温がほぼ同じで(空調無し)、その上お客様方もみなさんお元気そうに見えるのも含め、修理が上手く仕上がり易く、修理のスピードも速くなり、年に二回しか来ない弦楽器修理と調整の絶好の時期の一つです。みなさんのお手元の楽器に板割れ等の〝重症″がございましたら、6月末までに大修理をすることをおすすめ致します。

 

 33、当代いるテレサテンさんを超える人物を教えて申し上げます(2022,5)。

 

 

 つづきます。

 

 

 

 

このページにある写真は全部修理済みです。

指板替え修理は、指板の裏にもつや出しを行います。

 

 

 



指板替え修理後の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

自分なりの考え方で、裏板を綺麗に傷なしで剥しました。2013.11.17.

 

 

 

 

驚いたことにバスバーにヒビ割れを発見しました。そして、今日は再びお客様と相談し、バスバー交換をすることになりました。

(2013年11月17日)

 

 

 

 

このヴァイオリンの所有者は60代の方です。これからお使いになるという事で、感動しました。いろんな人生の絆と出会えて、嬉しかったです。

 

 

 




この写真中のバイオリン駒は15年間乾燥させたものです。